極東核拡散と日米安保
2017-10-28


北朝鮮がミサイルを発射したら?

青空の真ん中、白雲の隅の一点がぴかっと光った。
「あっ」と思ったら、辺り一面が真っ白になって
一瞬の内に何もかも無くなった。
私は今何処にいるのだろう・・・

核弾頭を積んでいたら、どうしようも無いですね。

日本の迎撃能力は完全ではない、と言われています。
例え、PAC3がミサイル着弾直前の低空域で迎撃できたとしても、放射能の影響は確実に生じるでしょう。

安保法によって、自衛艦がアメリカ軍艦船と一緒に、周辺領域に出動したとしても、その遥か頭上を超えて行きますし、何処を通るか予想できませんよね。

トランプ大統領が「100パーセント日本を守る」と口約束してくれても、真剣に守ってくれるのでしょうか。核弾頭を積んだミサイルから、アメリカ領域を守ることが先でしょう。
アメリカ、ファーストでしょ。

アメリカが北朝鮮の掃討作戦を行なっても、北朝鮮の核攻撃能力を、瞬時に壊滅させることができないので、破壊を免れたミサイルが、日本や韓国に飛んでくることが予想されます。何処かの都市が壊滅的な打撃を被ります。

北朝鮮の核ミサイルの保有は、日米安保体制の想定を超えているのです。

このまま、北朝鮮が核弾道ミサイルの保有を続けるとしたら、日本の安全保障はどのように達成されるのでしょうか。

日米の軍事同盟によって北朝鮮を跪かせると言っても、徒らに緊張を煽ります。

田中直毅氏は、環境保護に対する貢献など、世界への多角的な関与によって、日本の国際的な評価を高めることを、その方法としています。

世界中の国々から尊重される評価の高い国に対しては、容易に手出しができないということでしょう。

日本が国際的にリーダーシップを取ることができるでしょうか?
そのためには高い理念に導かれる高い理想を掲げ、常に、広く国際的に発信している必要があるでしょう。

これまでは、日本が主体的となって、核廃絶のためのたくさんの国連決議を成立させて来ました。ところが、今日のニュースによると、現在提案している決議について、反対する国が続出しており、通過が危ぶまれているのだそうです。核兵器禁止条約への不参加が原因です。核兵器禁止条約の採択時には、「貴方がここに居てくれれば良かった」と書いた折り鶴が、その席に置いてありました。

なぜ、条約交渉自体から回避したのか。日米安保の下で、核の傘に入っている日本がアメリカの信頼を裏切り、自己矛盾に陥るからです。

日本は核保有国と非核保有国の橋渡しをして、核兵器の縮減に努める、そのために、核兵器禁止条約には加入しないという。
参照、佐藤丙午・拓殖大学教授の「核なき世界を望むなら、日本は核兵器禁止条約に参加してはいけない」(2017年8月21日・現代ビジネス([URL]))

非核保有国全体の、日本に対する不信感の中で、橋渡しが出来るわけがないです。核の傘に入ることが安全保障の中核であるとしても、条約に加入することは可能なのです。アメリカに気遣ったのが、本当の理由です。

核廃絶に向けた努力をするべきだというのなら、中国と同時に、アメリカにもはっきりとそう言えば良い。

この他にも、経済問題以外に日本が国際的に先頭に立って貢献し得たという事例がどれほどあるでしょう。

国際的な、環境、文化、人権、人道の分野での積極的な発信が必要だと考えます。国際的な関心事に対しては、まずアメリカとEUがどう出るかを見て、更に、経済の問題でなければ、世界の国々の多くの態度決定を待って、ゆっくりと輪に入ろうかな、ということが多い国ではないでしょうか。目立つことを避けて、協調性を第一に考える・・・日本人の文化ですか?

それでは、世界の国々から尊重される、評価の高い国となることはできません。外務官僚ではなく、政治が決めることが必要です。

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プロフィール


職業:大学教員
専門分野:国際関係法・抵触法
専攻:国際取引法及び国際経済法
  簡単に言うと、貿易を行う企業が他国の企業と訴訟を行う場合の法律問題です。また、WTOや経済連携協定の内容、EUのような国家連合、アメリカ合衆国の通商法について興味を持っており、大学で講義をしています。
1959年生まれ

ちなみに、ゲイではありあせん。

同じ筆者のホームページ

「寡黙な国際関係法」(大学の授業用HP)
http://www.geocities.jp/gnmdp323/

「裁判のレトリックと真相」
筆者が原告となった裁判を通じて、裁判制度の問題を扱っています。
http://www.asahi-net.or.jp/~aj9s-fw/index.html


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