いよいよ寒くなって来ました。紅葉の里山を背景にした露天風呂を楽しみにしていたのですが、今年は行けませんでした。一番寒い時期の温泉も良いかもしれません。露天風呂は寒いかな?
昨年より、学会報告や論文執筆に忙しく、ブログ更新が遅れがちになっています。現在、なんとか不定期に更新しています。更新時に、閲覧数の順位が大きく変動するので、まだ読んで下さる皆さんが居られるのだと理解しています。更新をみつけられたら、お読み頂けると嬉しいです。何とか、月に一度ぐらいは更新していこうと思っています。
1週間ぐらい前に、幻冬者ルネッサンス・アカデミーの連載原稿を、発行元に送りました。その内に掲載されると思います。日韓請求権協定と輸出管理、戦後補償をめぐる解説をしています。専門的な小論と一般的読み物の中間ぐらいなもので、このブログよりは若干難解かもしれません。出来るだけ平易であることを心がけています。興味があれば、ご覧ください。サイドのリンクから行けます。
女系天皇を容認すれば、天皇制が崩壊する?
菅官房長官が安定的な皇位継承のあり方を研究するべき時期にあると発言し、政府部内において、女性宮家や女系天皇などの容認論があると報道されました。このころ、自民党幹部である二階俊博幹事長や甘利明税制調査会長が女系天皇容認を示唆する発言を行ったことが、物議を醸しました。2019年11月のことです。万世一系という言葉をご存知でしょうか? 神武天皇から今上天皇(令和天皇)に至る126代にわたる天皇の系図が、「父系をたどれば神武天皇へつながる1本の線で示される」ということです(「危うい自民幹部の「女系」容認論 先人たちの知恵に学べ」- 産経ニュース(社会部編集委員である川瀬弘至氏の署名記事))。
ここで女性天皇と女系天皇の区別が必要です。女系天皇とは、母親のみが天皇家の血筋である天皇を指し、男性であっても女系天皇となります。父親が天皇家の血筋である限り、女性天皇であっても父系天皇となります。日本の歴史上、父系女性天皇は実際に存在します。そして、女系天皇の否認論者は、父を辿れば神武天皇に繋がるという皇統こそが正統性の証であるとします。これこそが世界に類を見ない日本の伝統であり、日本の国民がその子孫のためにも未来永劫死守するべきであるというのです。民間人と結婚した女性天皇の子供は、男子であっても天皇とはなり得ません。
現在の皇室典範上女性天皇も認められていません。従って、父系を維持するためには、皇后陛下や皇太子妃など男性皇族と結婚した女性達が、どうしても男子をもうける必要に迫られます。今の天皇陛下には雅子妃殿下との間に女性である愛子様しか子供がおられません。今上天皇が皇太子であった当時の総理大臣であった小泉純一郎氏が女性の皇位継承を検討すると決定したのですが、秋篠宮殿下に男子が誕生したので、結局これも見送られました。ことに保守系を中心として大きな議論を巻き起こすことが必定であるため、問題を先送りしたのです。
父系擁護論者は、江戸時代の史実を例にして、次のように言います。徳川家の和子中宮を天皇家に嫁がせ、その子供である女性が明正天皇となったのですが、この天皇が徳川家の血筋のものと結婚し、その子が即位するなら、徳川家直系の天皇となったはずだというのです。そのような天皇は正統性を害する存在となる。女系天皇が認められなかったので、このときも皇統の正統が守られたとします。先の記事によると、徳川家としては、明正天皇が女性であったので、その即位を喜ばなかったと言います。徳川家の血筋が代々の天皇に受け継がれることがなく、徳川家の血統としては途切れてしまうからです。
プロフィール

職業:大学教員
専門分野:国際関係法・抵触法
専攻:国際取引法及び国際経済法
簡単に言うと、貿易を行う企業が他国の企業と訴訟を行う場合の法律問題です。また、WTOや経済連携協定の内容、EUのような国家連合、アメリカ合衆国の通商法について興味を持っており、大学で講義をしています。
1959年生まれ
ちなみに、ゲイではありあせん。
同じ筆者のホームページ
「寡黙な国際関係法」(大学の授業用HP)
http://www.geocities.jp/gnmdp323/
「裁判のレトリックと真相」
筆者が原告となった裁判を通じて、裁判制度の問題を扱っています。
http://www.asahi-net.or.jp/~aj9s-fw/index.html
Twitter@eddyfour3
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