年末に思うこと
2017-12-29


年末になりました。なんだか色々仕事があって、本業の方の研究も、論文が年明けの締め切りに間に合うかどうか、瀬戸際です(^_^;)
その上、掃除があるし、年末年始の買い物も。玄関用にしめ縄の飾りと、プラスチック製の型に小餅の入った鏡餅を買いました。

クリスマスには、ツリーを飾る習慣が我が家にもありました。西洋では本物の木を使うのでしょうが、日本では、多くの家庭でプラスチックや紙でできたまがい物のツリーで済ませますね。

イブにはケーキに子供のプレゼント。筆者の家では、決まって本を贈られましたが、子供にはさっぱり面白くない、低学年用の勉強の本で、毎年、辟易していたことを思い出します。

年末恒例の年越しそば、正月になると鏡餅、初詣。

節分の豆まき。お盆には墓参りと盆踊り。

最近はバレンタインデーのチョコレートも習慣化したようですね。

今でも、笹の枝に願い事を書いた短冊を飾って、七夕をお祝いしているのでしょうか。

日本人も習俗が好きですよね。しかし、よく言われているように、キリストの誕生日のお祝いやヨーロッパ伝来の神のお祭り、仏教の行事に日本の神道のお祭りと、節操がない。もともとあった宗教的な意味合いなどどうでも良いのでしょうね

このことが悪いことだとは思いません。

子煩悩な父親が子供の喜ぶ顔を見たさにプレゼントを買うのです。ひょっとしたら、日頃ほったらかしの罪滅ぼしかもしれません。また、お盆の集まりや法事は、たまには亡くなった故人を偲び、親戚が一堂に会して宴を催す機会となります。

核家族化の進んだ日本では、盆正月や法事での家族の集まりが、廃れつつあるとも言われていました。実際どうなのかは分かりません。

親戚付き合いが面倒なので、自分の家族だけで旅行した方が楽しいと思えるかもしれません。筆者が子供のころには、正月には、親戚らが祖父の家に集まりました。長子である父の若い頃の子供だったので、メンバーの中でただ一人の子供でした。

「明けましておめでとうございます」

顔を合わせた大人には必ずこれを言う決まりのようなもので、そう言うと、お年玉をもらうことができました。つまり、お年玉をもらうための合図だったのです。

お年玉を独り占めできます。ポチ袋からお金を出して、集計するのが、子供ながらに楽しかったのをよく覚えています。

そして宴会となると、酒好きで陽気な大叔父が、幼い子供に酒を勧めて、周囲にたしなめられていました。親戚中にとても扁壺な子供として知られていた筆者が、随分年の離れた大人たちに混じって、ちょこんと座っていました。

ところで、「お墓参り」の意味を考えたことがありますか?
年寄りがうるさいので、一緒について行ってやるか。あるいはそんなもの年寄りにだけ任せておけばいいや、と。
筆者は、お墓参りを、割とします。年寄りだからではありません。若い頃から、誰に言われなくてもそうしています。都会の土地は高いので、遠い山の中を切り開いて造られた、広大な墓地の一画が筆者の家のお墓です。夏涼しく、冬には寒風吹き荒ぶ。
でも深閑とした山の中のお墓も良いものです。綺麗な空気を吸って、雑草を抜いていると、故人のために、未だに世話をしてあげているような優しい心持ちになれます。父母があり、祖父母があり、そのまた先祖があり、自分が生まれたことを、その都度確認しているように思えます。私という、個の、命の大切さを思うことができるように感じます。

自分の大切な人にも、そう思ってほしい。

自分以外の他の人の命。人類。動物や植物まで、個々の命が愛おしい。急に良い人になれます。

日本の文化や伝統を、どうしても守るという固い信念はないのですが、そんなに簡単に無くなるとは、到底思えないのです。むしろ、ここに住む人々の中に、その意識、無意識の中にさえ、確固とした地歩を持って存在するのではないでしょうか。


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プロフィール


職業:大学教員
専門分野:国際関係法・抵触法
専攻:国際取引法及び国際経済法
  簡単に言うと、貿易を行う企業が他国の企業と訴訟を行う場合の法律問題です。また、WTOや経済連携協定の内容、EUのような国家連合、アメリカ合衆国の通商法について興味を持っており、大学で講義をしています。
1959年生まれ

ちなみに、ゲイではありあせん。

同じ筆者のホームページ

「寡黙な国際関係法」(大学の授業用HP)
http://www.geocities.jp/gnmdp323/

「裁判のレトリックと真相」
筆者が原告となった裁判を通じて、裁判制度の問題を扱っています。
http://www.asahi-net.or.jp/~aj9s-fw/index.html


Twitter@eddyfour3



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