新型コロナの感染者が多く報告される大阪に来ています。愛媛県知事が愛媛県は未だ感染地域とは言えないと言っていたので、非感染地域から感染地域?へと移動したので、少々神経質になっています。外に出ると、何かに触る度に手を洗いたくなるし、レストランでも出されたウェット・ティシューでテーブルを拭きます。近くの人がマスクをせずに、くしゃみや咳をしていると逃げ出したくなりますね。しかし、どうしようも無い用件があるから仕方がありません。そもそもこの地で生活をしている人々は、平気でいるのですから。戦争をしている国の市民がそれでも普段通りに生活はしなければならないのを、戦争していない国から見ると、さぞかし大変だなぁと思うようなものかもしれません。
1、映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』と学生運動
映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』が公開中です。
1969年、学生運動に参加する学生らと、作家・三島由紀夫との討論会が東大のキャンパスで行われました。全共闘に参加する学生らが企画したものです。その記録映画です。
「右と左。思想の異なる両者がぶつかりあう言葉たち。時に怒号飛び、時に笑いが起きながら、会場を圧倒的な熱が包み込む」。(竹内明「“右と左”の直接対決 三島由紀夫vs東大全共闘「伝説の討論会」、いったい何が語られたのか?」 より。文春オンライン
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日米安全保障条約締結時の60年安保闘争、10年後の同条約延長をめぐる70年安保闘争と言っても、若者たちには良く分からないでしょう。学生の政治運動が「バリケードと角棒」を用いた暴力による大学封鎖に発展しました。学生活動家が機動隊と対峙していたのです。
昨年激化した香港の民主化運動(逃亡犯引渡条例の改正への反対運動)を思い出すと、ちょうどそのようなものなので、イメージしやすいでしょう。
前述の三島由紀夫との討論会があったのは、学生の立てこもる東大安田講堂に機動隊が突入して、強制的に大学封鎖を解除した後、4ヶ月という時点です。上の記事によると、会場には1000人の学生が詰めかけていたそうで、学生運動の熱気が感じられます。
それから10年後、私の学生時代、学生運動はもはや下火ではありましたが、その残り火が身近に感じられもしました。大学の構内を、ヘルメットにマスク姿の10人程度の集団が、角棒を持って練り歩くのを、時折、見かけたものです。1回生のとき、あるサークルに所属していた同級生が、「搾取」、「搾取」という言葉をやたら連発しながら、ほとんど親しくもない私に向かって、「誰も分かっていないんだ」と熱っぽく語っていたのを思い出します。サークルの先輩が背後に居て、資本論の研究会に参加を呼びかけていました。私自身を含め、多くの学生が「搾取」という聴き慣れない術語を聞いて、怪訝な感を抱き、そのような活動に無縁であったようです。ヘルメット集団とこのサークルとは関係がないのですが、何となく連想してしまうので、この同級生を避けていたように思います。この頃には、既に、ノンポリという言葉が一般化していました。
現在、大学教員となって、学生らを見ていると、国際経済法や国際取引法という法分野を学ぶ学生であるからかもしれませんが、政治的活動に対して、消極的に無関心であるというより、むしろ積極的に「政治活動」から距離を置こうとしている態度を感じます。何やら、得体のしれない危なっかしいものという風に感じているようです。
プロフィール

職業:大学教員
専門分野:国際関係法・抵触法
専攻:国際取引法及び国際経済法
簡単に言うと、貿易を行う企業が他国の企業と訴訟を行う場合の法律問題です。また、WTOや経済連携協定の内容、EUのような国家連合、アメリカ合衆国の通商法について興味を持っており、大学で講義をしています。
1959年生まれ
ちなみに、ゲイではありあせん。
同じ筆者のホームページ
「寡黙な国際関係法」(大学の授業用HP)
http://www.geocities.jp/gnmdp323/
「裁判のレトリックと真相」
筆者が原告となった裁判を通じて、裁判制度の問題を扱っています。
http://www.asahi-net.or.jp/~aj9s-fw/index.html
Twitter@eddyfour3
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